90分で書ける読書感想文(小学生向け)

 

寄稿:ロングテイル(ライター)

小学生のみんな。

読書感想文は好きかな?

たぶんみんな「やりたくないこと」だと思う。

本を読むのも嫌いだし、文章なんて書けないし。

そんな子供たち多いと思うんだ。

僕は、「やりたくないこと」はできるだけ楽をしてきました。

楽をすることは怠けるのとはちょっと違う。

僕は、小学生のみんなに夏休みを楽しくすごしてほしいと思う。

だから、読書感想文で楽をする方法を伝授したい。

1.本選び

課題図書がある子はごめんね。

本選びはとても大事なステップなんだ。ここを先生任せにしてはいけないんだな。本当は。

まず、文章には小説と説明文があると教わっていると思う。 

読書感想文で楽をしようと思ったら、説明文を選ぶのがおすすめだ。

なぜなら、説明文はわかりやすく書かれているものだから。

説明文なら、先生をうならせる意味でも「新書」がおすすめ。

新書って、最新の話題を、学者や評論家などが解説したもの。

薄くて、安くて、分かりやすい。

最高だね。

でも、小学生にはちょっと難しいかも。

安心してほしい。

ジュニア新書というのがある。

あるいは、本を読み慣れていない大人向けに書かれた分かりやすいタイプの新書もある。

図書館に行ってごらん。

アニメやゲームについて論じた物もあるし、スポーツ解説者の書いたものもある。

興味のある話題を選ぶのがコツだ。

2.目次を読む

新書を買ってきたかな?

そしたら今度は、目次を読もう。 

新書というのは、目次を読んで、買うかどうか決める人が多い。

本を作っているひとも、そのへんはわかっている。

だから、目次を読むだけで何を言っているかある程度わかるようになっているんだ。 

第一章があるのなら、その中に小見出しが並んでいると思う。

それを素直な気もちで追ってほしい。

それだけで筆者が伝えたいことは入るようにできているのが新書だ。

「ふむふむ。そうだったのか!」という気持で、目次を全部読むんだ。

3.目次を読んで感じたことを一言で書く

新書の言葉は小学生には難しいかもしれない。

でも、文字数は少ないから、ちょっとだけ調べるなどして頑張ってほしい。 

目次を読むだけでも感じることがあるはずだ。

たくさんのことを感じたはずだ。

そのなかでも興味あるものを、ひとつ選んで、一言で表す。

「わかったたこと」なんて背伸びする必要はない。

「感じたこと」でいい。

「この本を書いた人は素晴らしい!」でもいい。

一言で表せたかな? 

それが君の読書感想文のテーマだ。

4.証拠を選ぶ

ここからは、「この本を書いた人は素晴らしい!」というテーマで書くことにする。

たとえば、とても君たちにとってとても刺激的なタイトルの新書が今売れている。

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論(堀江貴文)」

この本を書いた人は、まあ色々あった人だけど、今や高等学校をつくるみたいなこともしているとっても注目はされている人だ。

夏休みを楽しみたい君たちにとって、手っ取り早く読む本としてこれはオススメ本だ。

なぜなら、堀江という人はビジネスマンだ。

だから、難しい文章書かない。 

この本の良し悪しはどうでもいい。

君たちはこの本を読んで「素晴らしい人だ!」と思ったことにしよう。 

そして、「この人の素晴らしさの証拠はどこにあるのか?」を考えよう。 

このメモを書いている31歳のオジサンは、「義務教育が植え付けるのは空虚な「常識」」という見出しに注目した。 

小学生のみんなにとって、「義務教育」「空虚」という言葉は難しいかもしれない。

お父さん・お母さんあるいは、大胆に先生に聞いてごらん。

きっとわかるから。

インターネットでもいいけど、あんまし良い説明はないなあ。 

さて、なぜ「義務教育が植え付けるのは空虚な「常識」」という見出しが、「素晴らしい人」の証拠になるのか。

オジサンなら、こんな風に説明する。

「堀江貴文さんは素晴らしい。だって、正直だから。お父さんも、お母さんも、先生も嘘つき。だって、どうして学校が大切なのか知らないのに、通わなくてはならないっていうから。僕は正直な人は素晴らしいと知っているし、嘘つきは泥棒の始まりと知っています。僕は嘘をつく人より、正直な人のほうがよっぽど素晴らしいと思います」

小学生ならこんな感じで大丈夫だ。

これで君の「テーマ」が出来上がった。

5.君の意見を広げていく

ちょっと話はそれる。

学校の先生がウンザリするタイプの読書感想文がある。

それは、「ぼく、こんなことわかりましたよ!」という利口な文章だ。

先生にとってそんなのどうだっていい。

大事なのは、君たちがどんな意見をもったのかということだ。

だから、読まずに読書感想文を書いても、オジサンは全然かまわないと思っている。

なぜなら、新書では、書いた人の意見は目次に書いてあるのだから。 

さて、目次だけを読んで「テーマ」をつくったわけだけど、さっさと書き進めよう。

これから先は本を開く必要すらない。

ひたすら君の意見を広げていけばいいんだ。

たとえば、 

「堀江貴文さんは素晴らしい。だって、正直だから。お父さんも、お母さんも、先生も嘘つき。だって、どうして学校が大切なのか知らないのに、通わなくてはならないっていうから。僕は正直な人は素晴らしいと知っているし、嘘つきは泥棒の始まりと知っています。僕は嘘をつく人より、正直な人のほうがよっぽど素晴らしいと思います」

という意見なら、

「堀江貴文は正直」という文と、「正直な人は素晴らしい」という文章が組み合わさって、「堀江貴文は素晴らしい」という仕組みになっている。

「堀江貴文は正直」というところは、”正直”先生もあんまし判断がつかない。

ここは小学生の立ち入るエリアじゃない。先生も立ち入れない。

だから、ことさら説明しなくても先生も「うーん、そうなのかなあ、どうなのかなあ」と迷って結論は出せない。 

君が全力を尽くすべきは「正直な人は素晴らしい」というイージーな主張だ。

これは先生も“正直”反論できない。

いわゆる建前というやつだ。

大人の建前を逆手にとるのは、子供の特権だ。

考えを広げるってどういうことだろう。 

「正直な人は素晴らしい」という主張を、分解すると「正直」と「素晴らしい人」という言葉に分かれる。

「正直」ってなんだろう?

「素晴らしい人」ってなんだろう? 

こんな風に考えてみよう。 

オジサンなら、さっきの主張をこんな風に広げていく。

「正直な人は素晴らしい。正直というのは、自分にとってメリットがないことが多いからだ。自分にとって利益にならないことをするのはなぜだろう?ぼくは、正直になることが、他人のためになるからだと思う。だから、正直な人は、自分のメリットよりも他人のためを大切にできるひとだ」

ここでたとえ話を出すと効果的だ。

「たとえば、悪いお兄さんが万引きをして、ぼくに“だまっておけよ”と言ったとする。もしお店の人に言えば、ぼくは悪いお兄さんにボコボコにされるかもしれない。でも、だまっているとお店の人がかわいそうだ。ぼくにとっては怖いけど、お店の人に正直に伝えたい」

先生からはきっと拍手喝采だ。

6.自分のアクションを書く

ここまでで、「主張」から入って「証拠」をもとに「説明」した。

原稿用紙4枚ほどは書けてしまうだろう。

あと1枚どうしよう。

簡単だ。

君は、これからどうするのかを書いたらいい。

「正直な人は素晴らしいから、僕も正直になります」

も悪くはない。

でもちょっとつまらない。 

ここでは君の意見を活用しよう。

たとえば、「正直になることは難しい。けれども、そのためにできることから始めたい。他人のためを、自分のメリットよりも優先することだ」と書いてみてはどうだろう。 

つまり、「他人のためになるから、正直になる」という仕組みを利用したんだ。 

やりたいことをするために必要なこと

今回は、君に、読書感想文で楽をする方法を教えた。

これは先生が嫌な顔をするかもしれない。 

でも、オジサンは、「やりたくないことでは楽をする技」は大切だと思うんだ。

だって、その方が、「やりたいこと」にエネルギーを注げるから。

大人は子供の時間は無限だと思っている。

ほんと失礼しちゃうよね。

夏は待ってくれないっていうのに。

エンジョイ!夏休み!

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